繋ぐぜPCに!

折角Cの開発環境が出来たのだから、一刻も早くDreamCastに何かのプログラム を走らせてみたい!待て待て、落ち着くのだ私。ここは慎重に行かないと。な にしろ、この「ケーブルの作成」は多分唯一「DreamCast(又はPC)を破壊する」 可能性のある作業なのだ。

<注意>
  1. 材料を集める
  2. どう使うか考える
  3. 作る

1. 材料を集める

まずは材料の調達だ。第1に手に入れなければならないのは「DreamCastのシリ アルコネクタ」。これが最も手に入れ難く、かつ高価な部品かもしれない。 WEB上で得た情報では、

  1. NEOGEO pocket(NGP) - DreamCast 通信ケーブル
  2. DreamCast用 MIDIケーブル
  3. DreamCast用 通信対戦ケーブル
等が利用できそうである。Marcus氏のサイト等で紹介されているのは、1を材 料にしたものらしいが、現物を見たことが無い。まぁ、NEOGEO pocketが動い ている姿自体を見たことがないのだから当然か。2についても見たことが無い。 3についてはある店で発見した。3,000円だったので躊躇してしまった。それに 多分3だと電源が取れないだろう。5V電源は持っているが、ケーブル単体でイ ケル1(とおそらく2も)に比べてスマート感に欠ける。

とにかく現物を見なければ話にならない。私は秋葉のゲーム屋を探してみた。 なかなかNGP-DreamCast通信ケーブルはない。そもそも小さい所ではNGP自体を 置いていないのだからしょうがないのかもしれないが。

やっと見つけたのがメッセサンオー。税込み2,800円也。

NEOGEO pocket/DreamCast接続ケーブル

ADM232AAN
コネクタの次はレベルコンバータだ。DreamCastのシリアル端子はRS232Cの± 12Vではなく、3.3-0ということなので、何らかの外付け回路が必要となる。 あまり3.3V<->RS232Cのコンバータは一般的でないので、ポピュラーな 5V<->RS232Cレベルのコンバータを使う例もWEBでは見られる。その一種である ANALOG DEVICESのADM232AANとコンデンサ、ICソケットのセットを以前に秋月 で買ったものが手元にある。250円だった。

後はRS232Cのケーブル又はコネクタに接続するD-SUB 9(or 25)pinコネクタ。 カバー込み150円位かな。

これで主な部品は揃った。後は現物を調べつつ。


2. どう使うか考える

木製ドライバ風
さてと、それではNGP-DCケーブルの『箱』を開けてみよう。なかなかパッチリ と閉じている。金属製のドライバなんかでこじ開けようとすると、プラケース が破損するおそれがあるので、割箸を1/2に折ってカッターで削り、こじ開け 治具を作った。

これをDC側の短辺の填め合わせにグイグイと突っ込む。一膳から4本の治具が 出来ているので、ケーブルの両側に一本づつ差し込む。するとすき間が空くの で、更に3、4本目を角から徐々に挿し入れて押し開ける。

表 裏
箱の中の基板(表) 箱の中の基板(裏)

開いた。基板をつらつらと眺める。

NGP-DC通信ケーブル 多分こんな回路

気持ちの保護回路

どうやら、というか当たり前だが、バッファがTXD/RXD/RTS/CTSの分あるとい うことのようだ。回路図に描くとこんな感じ?

まぁ、大体わかったつもりになる。

NGP側への出力は詳細不明のダイオードD1と4.7kで3.3Vにプルアップされている ようだ。Diはover 3.3Vに接続された場合を想定しての保護だろうか。こいつ をレベルコンバータのTTL/CMOS入力にたたき込む訳だが、ADM232AANの TTL/CMOS入力は400kΩで5Vにプルアップされている。D1もあるし、多分そのま ま入力で大丈夫だろう。

では、NGP側からの入力には?3.3Vロジックには一般に5V入力耐性があるとは 限らない筈だが…。BERO氏のケーブルではそのまま叩き込んでいる。 おそらくU2は耐性があるのだろう。だけど、なんとなく心配だ。最悪でもU2が 飛ぶ位で済むか…ツェナDiと抵抗で一応保護しようか…いいや。半田付け箇所 が増えるし、チップ&表面実装に走らないなら、高さがとれないゆえに横置き の実装しか出来ない訳で、従って基板面積が大きくなってしまう。

結局は同じコンバータ回路図 (赤△ は保護しようかと思ったポイント)


3. 作る

ユニバーサル基板を丁度良い大きさに切断し、部品を半田付けする。ソケット は背が高くなるので使わない。この程度の回路であれば、プリント基板を彫刻 刀で切削、ADM232AANの足を短く切って表面実装し、チップコンデンサを採用 して更なる薄化を試みるのも面白いかもしれない。

基板の配線面は、秋月で売っている絶縁シールを切って張り付けた。少し厚く なってしまうが、箱の中に封じ込めるので、その辺はちゃんとしておきたい。

公開されている作例では、NGP側のケーブルを切って232Cケーブルにつかった りもしているようだが、いつ(持ってないし、どうせ買わないけど)NEOGEO pocketをDreamCastに接続したくなっても良いように、なるだけ原状態を保存 する方針。

そこで、CON1をサクっと取り外した。ケーブルごと袋に入れ、(来ないかもし れない)登場の日を部品袋の底で待ってもらうことに。で、コネクタ跡からコ ンバータ基板に配線し、そこから6芯ケーブルを外部に引き出す。ケーブルの 先にD-SUBを付けて一丁あがり、である。

完成の図
  • 左上: CON1から付加回路への配線
  • 右上: このように置く
  • 左中: CON2から5Vをとる
  • 右中: 全景
  • 左中: 箱をかぶせて完成

おお!出来た出来た!で、DCとPCを繋い…だってどーにもならねーじゃねーか かか!DC用のCDが無いんだからららら!CDを灼かねばばばば!!